看護師が着用するユニフォームの歴史の詳細

看護師はかつて、白衣の天使とほとんどの人が呼んでいた時代もありました。
その清楚なイメージの言葉の通り、看護師が着用するユニフォームは白い色のものが一般的となっています。現在でこそ医療用のユニフォームは様々なカラーリングに分かれていますが、衛生管理の問題から従来は白色が普通だったのです。

しかし、初めから看護師が白色のユニフォームを着ていたわけではありません。そもそも看護師という仕事が確立したのは19世紀後半、ナイチンゲールが看護医療を体系化したことに由来します。この時に医療従事者の衛生管理が問題視され、わずかな汚れもすぐに発見できるよう、白衣のユニフォームとして採用されたのです。もっとも、当時のユニフォームは普段着の上から着用するエプロンのような形状でした。

日本における看護師の歴史は、明治時代に専門の教育施設が作られた時から始まります。この時代のユニフォームは衣類の上から羽織る割烹着に近いデザインでしたが、着脱が容易なことからそのスタイルが多くの医療機関で受け入れられていました。

その後、1937年の日本赤十字社による従軍看護婦の派遣を機に、ワンピーススタイルの白衣が看護師のユニフォームとして採用されたのです。それから時代を経てデザインに変化が生まれ様々なスタイルへと変化を遂げてきましたが、ワンピーススタイルのユニフォームは完成形として今もなお製造されています。しかしその数は1980年代をピークに減少傾向になり、男性の看護職への参入などの影響もあり、ワンピース代わって上下が分かれているパンツスタイルの白衣が看護師のユニフォームとして定着しているのです。今では看護師に人気のユニフォームとして様々なタイプのものがデザインされています。